
ケーブルフライの正しいやり方とフォームやコツについて、動画をまじえて解説するとともに、トレーニング目的別に適切な回数設定をご紹介します。また、本種目6種類のやり方と、それぞれに効果のある大胸筋部位の違いについてもご紹介します。
目次
■ケーブルフライが主に効果のある筋肉部位
●大胸筋内側に効果がある

ケーブルフライは、大胸筋内側に効果がありますが、腕を閉じる角度によって効果のある部位が変化します。
なお、全身の筋肉部位名称と主な作用については下記の記事をご参照ください。
筋肉の名前図鑑|全身の骨格筋の名称と作用およびその鍛え方・筋トレ方法
■ケーブルフライの正しいやり方とフォームのポイント
●ノーマルケーブルフライのやり方
ケーブルフライは、腕を閉じた後にさらに手を前方につき出す動きを加えることで、大胸筋内側が完全に収縮して効果が倍増します。
【正しい動作とフォーム】
①胸を張り、アタッチメントをグリップする
②肩甲骨を寄せ、肘の角度を動かさずに腕を閉じていく
③腕を閉じたら、やや前方に拳を押し出すとともに顎を引き大胸筋内側を完全収縮させる
④同じ軌道でゆっくりと大胸筋にストレッチをかけながら元に戻る
なお、腕を閉じる軌道によって効果のある部位が以下のように変化します。
・ノーマルケーブルフライ:大胸筋内側中央部
・ローケーブルフライ:大胸筋上部内側
・ハイケーブルフライ:大胸筋下部内側
※ロー=下から引く・ハイ=上から引く
●ローケーブルフライのやり方
ローケーブルフライは下から斜め上方へケーブルを引き上げる軌道で行うため、大胸筋内側のなかでも特に上部に対して集中的な負荷がかかります。
●ハイケーブルフライのやり方
ハイケーブルフライは上から斜め下方へケーブルを引き上げる軌道で行うため、大胸筋内側のなかでも特に下部に対して集中的な負荷がかかります。
●クロスオーバーケーブルフライのやり方
クロスオーバーケーブルフライは身体の前側で両手をクロスさせることにより、より大胸筋を強く収縮させることのできるバリエーションです。
なお、1レップごとに上下させる手を交代させると、よりシンメトリカルに効きます。
●ワンハンドケーブルフライ
ワンハンドケーブルフライは身体の正面を大きく超えて手を対角線側に移動させることで、最強レベルの収縮を大胸筋に与えられるバリエーションです。
大胸筋トレーニングの仕上げ種目として、やや軽めの重量設定で大きな動作で大胸筋を完全伸展・完全収縮させることをおすすめします。
●ライイングケーブルフライのやり方
ライイングケーブルフライは、腰に不安のある方などにおすすめの方法で、姿勢を維持することに意識をとられることなく、大胸筋の伸展と収縮に意識を集中させることが可能です。
■ケーブルフライの呼吸について
一般的に筋トレでは「息を吐きながら筋肉を収縮させる」のが基本ですが、ケーブルフライの場合は息を吐いてしまうと胸郭が狭まり、大胸筋の収縮率が落ちてしまうので、息をためたまま大胸筋を収縮させ、そこで呼吸をしてから元に戻る動作ですると効率的に効かせることができます。
■実際に使用しているトレーニング用品

下記の記事では、実際に使用しているトレーニング用品(ベンチ・ダンベル・チューブ・トレーニングベルト・パワーグリップなど)を、自宅用アイテムを中心にジムユースまで、男性用・女性用から幅広く解説しています。
▼関連記事
実際に使用しているトレーニング用品|自宅用を中心にジム向け男女アイテムの解説
●押すトレーニングにはリストラップを
押すトレーニングで気をつけたいのが手首の保護です。リストラップと呼ばれるグッズを手首に装着することで、手首の保護・補強になり、結果として高いレベルのワークアウトが実現できます。
▼リストラップの適切な長さと巻き方は?
■全身の筋肉の構造・作用と筋トレ方法

全身の筋肉はその作用と連動性から以下のように部位分けされます。
①上半身の押す筋肉
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋など
②上半身の引く筋肉
広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋など
③体幹の筋肉
腹筋群・脊柱起立筋・回旋筋など
④下半身の筋肉
臀筋群・大腿四頭筋・大腿二頭筋など
【重要】筋トレ目的別の負荷回数設定
骨格筋を構成する筋繊維には大きく三種類があり、その特徴は以下の通りです。
①速筋繊維TYPE2b(FG筋):10回前後の反復回数で限界がくる筋トレで鍛えられ、鍛えると強く筋肥大する。ゴリマッチョ筋トレの筋肉。
②速筋繊維TYPE2a(FO筋):15回前後の反復回数で限界がくる筋トレで鍛えられ、鍛えると適度に筋肥大する。細マッチョ筋トレの筋肉。
③遅筋繊維TYPE1(SO筋):20回以上の反復回数で限界がくる筋トレで鍛えられ、鍛えると筋密度が向上し引き締まる。ダイエット筋トレの筋肉。
なお、腹筋群・前腕筋群・下腿三頭筋など日常での使用頻度が高い部位は、筋繊維の比率遅として遅筋繊維が多いので、基本的に20回以上の反復回数で筋トレします。