
筋トレやフィットネスに不可欠なグッズで、ジム通いを始めるのならば最初に揃えたいのがトレーニングベルトですが、さまざまな種類があり迷ってしまいます。そこで、今回はトレーニング目的・レベルに応じた適切な選び方とおすすめのアイテムをご紹介します。
あわせて、トレーニングベルトの種類ごとの特徴や効果的な巻き方についても解説していきます。
目次
■トレーニングベルトを巻く意味
●物理的に腰をサポート・保護する

トレーニングベルトの第一の効果・意味は「腰を物理的に保護する」ということで、腰部にベルトを巻くことにより、腰周辺にかかる負荷をベルトにより緩和し、腰椎を守ってくれるというものです。
腰に不安のある方はもちろんですが、腰に問題のない方でも、トレーニング中のちょっとした動作ミス・フォームミスをきっかけに腰痛を引き起こすケースも少なくありません。
トレーニングを行うのならば、基本的にはトレーニングベルトを装着する習慣を身につけるべきでしょう。
●腹圧を高めて最大筋力を向上させる

昔から「腹に力を入れる」という表現があるように、筋力と腹圧には密接な関係があります。
トレーニングベルトを装着することにより、腹部は物理的に圧迫され「腹に力を入れた」時に効率的に腹圧が向上するようになります。これにより、プラスアルファの筋力を発揮することが可能で、それは質の高いワークアウトの実現に直結します。
●体幹を安定させ動作を補助する

前の二つの項目と密接な関係がある効果ですが、物理的に腰をサポートし、さらに腹圧を高めることで「体幹のブレ」が大きく抑制されます。
体幹の動作が安定すれば、運動における最大パフォーマンスは当然ですが向上し、結果としてとても質の高いトレーニングを行うことができるようになります。
●ファッション性も重要

最近は、「筋トレ女子」という言葉もあるように、女性のジム進出が目立ってきています。少し前まではトレーニングベルトと言えば男性用の無骨なデザインのものしかありませんでしたが、この数年で女性向きのファッショナブルなデザインのベルトがどんどん増えてきています。
トレーニングベルトは機能性だけでなく、個性としてのファッション性を兼ね備えたものが要求される時代になってきているのではないでしょうか。
■トレーニングベルトの種類
●ナイロンベルト

筋トレ&フィットネスの初心者の方に、断然おすすめなのがナイロン製のトレーニングベルトです。丈夫なのに軽く、違和感も少ないため、はじめてトレーニングベルトを装着してトレーニングを行う方に最適です。
また、丸めると比較的コンパクトになり、ジムバッグのなかでもかさばらず、また気軽に丸洗いできるので清潔なのも魅力です。
さらに、中級者以降の方にもこのタイプは「サブベルト」としておすすめです。トレーニング中級者ともなると。自分の体重を超えるような重量を扱うようになり、そのサポートには頑丈な革製ベルトが必須になってきますが、常に全てのトレーニングにおいて革製ベルトを装着することはおすすめしません。
実際、筆者の運営するジムの県チャンピオンクラスの選手にも「常にパワーベルトを使うのはよくない」と指導することもあります。
これは、そこまで高いサポート力が要求されない重量でのトレーニング(例えば腕などの筋トレ)まで、高サポート力の革製ベルトを装着して行う習慣がつくと、自分自身の腰の筋力が育たないからです。
ですので、中級者以降の方には、ケースバイケースで、高重量セットには革製ベルト、アップや仕上げ種目にはナイロンベルト、といった使い分け・サブベルトの使用をおすすめしています。
▼おすすめのナイロンベルトを見る
・筆者の運営するジムにおける実際の使用の様子

筆者の運営するジムにおいても、ナイロンベルトの使用者は多く、写真のベンチプレス県チャンピオンのメンバーも、高重量セットでは革製パワーベルト、自重以下の軽めのセットではナイロンベルトといったように使い分けを行っています。

また、ダイエット・フィットネス系の女性会員の多くは、デザイン性の高いナイロンベルトを愛用しています。
●革ベルト

筋トレ中級者(自重前後のウエイトを扱うレベル)になると、必須となってくるのが革製のトレーニングベルトで、写真のような腹部が細くなっているタイプが革製トレーニングベルトの入門タイプとして一般的には人気です。
ちなみに、筆者のジムではこのタイプのトレーニングベルトはあまりおすすめしていません。
筋トレ中級者はいつまでも中級者ではなく、やがて自重の1.5~2倍の高重量を扱う上級者に進化します。その期間はおよそ数年とあっという間です。
そして、上級者レベルになると「腹部が細くなったトレーニングベルト」は腹圧が入れにくい関係で、ほぼ使い物にならなくなってしまいます。
ですので、中級者の方には、予算が無駄・二度手間にならないよう、先を見越してパワーベルトを入手することを強くおすすめします。
●ピンバックルパワーベルト

筋トレ上級者(自重の1.5倍以上のウエイトを扱うレベル)になってくると、なくてはならないのが、全周が均一な幅で厚みが10mm以上あるパワーベルトです。
パワーベルトでもっとも普及しているタイプが、写真のようなピン式(普通の洋服用のベルトと同じ)のものですが、筆者のジムではこちらのタイプはあまりおすすめしていません。
筋トレ上級者ともなると、想像以上にきつくトレーニングベルトを締める必要があり、ピンバックル式の場合、高重量セット後は握力も低下していることもあり「一人でベルト外せない」状況が頻発します。
これでは、本人だけでなく、まわりのセットインターバルなども乱してしまいます。ですので、パワーベルトを入手するのであれば、脱着が容易でスピーディーな後述の「フックバックル」または「レバーアクション」タイプのパワーベルトをおすすめします。
●フックバックルパワーベルト

こちらが、筆者のジムで実際におすすめしているフックバックル式パワーベルトです。一見、ピンバックル式と同じに見えますが、バックルを「穴に差す」のではなく「穴に引っ掛ける」構造になっているので、セット前の装着も、セット後の取り外しもワンタッチで行えます。
写真のタイプは幅10cm、厚さが13mmとパワーリフティング競技の競技規定マックスサイズの頑強なもので、世界パワーリフティング協会(IPF)認定のタイプです。
このようなハイエンド仕様にもかかわらず、一般的に普及している下記のようなピンバックル式パワーベルトよりもリーズナブルです。
▼一般的に普及しているピンバックル式パワーベルト
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GOLDS GYM ゴールドジム パワーベルト 2ピンタイプ G3352 (実売価格12000円前後)
▼おすすめの武器屋フックバックルベルトを比較する
●レバーアクションパワーベルト

筋トレ上級者の方におすすめなのが、事前に設定した締め付け強度で一瞬で装着でき、さらにセット後のクイックリリースがワンタッチで行えるレバーアクション式パワーベルトです。

筆者の運営するジムに所属するベンチプレス選手のなかでも、全日本大会に出場するレベルの選手たちは、写真のようなレバーアクション式パワーベルトを普段のトレーニングでも使用しています。

また、ベンチプレスに特化した「高いブリッジの組みやすい細型タイプ」などもあり、筆者の運営するジム所属の全国区ベンチプレス選手が愛用しており、毎年全国大会の出場資格となる全国大会標準記録を残し続けています。
▼おすすめのレバーアクションベルト
■トレーニングベルトの巻き方
●思っているよりもきつく巻くのが基本
初心者の方に多く見られる、誤ったトレーニングベルトの巻き方が「ただ巻いているだけでベルトが左右に回る状態」での巻き方です。
これでは、ファッションベルトと変わらず、トレーニングベルトの「腰椎保護」や「腹圧向上」の効果は得られません。思っているよりも強く締めるのがトレーニングベルトを装着する際の基本です。
具体的には、息を吐ききり、お腹を最大にへこめた状態でバックルを止め、想像以上にガッチリときつく占めるようにしてください。
■トレーニングベルトの選び方の秘訣

●今の自分よりワンランク上のものを揃える
トレーニングを続けていると、あっという間に初心者は中級者に、中級者は上級者に、そして上級者は競技選手へと進化していきます。
ですので、予算を無駄にしないためにも「今の自分に合わせるのではなく、未来の自分に合わせてトレーニングベルトを選ぶ」というのが、トレーニングベルトの最大の秘訣です。
●メインベルトとサブベルトを使い分ける
また、前述しましたが、全てのトレーニング種目・セットで高強度のトレーニングベルトを装着するのは、自分自身の「腰の強さ」「体幹の強さ」を育てる意味ではマイナスです。
高重量トレーニング用のパワーベルトと、アップや仕上げ種目用のナイロンベルトを併用することを強くおすすめします。
■さらに詳しくトレーニングベルトを知りたい方は
さらに詳しくトレーニングベルトについて詳しく知りたい方は、筆者の運営する筋トレ専門サイトの下記の記事もあわせてご一読ください。
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【おすすめトレーニングベルト】選び方・巻き方と筋トレ目的別の意味・効果を解説
■筋トレ&フィットネスにおすすめのグッズ
●引くトレニングにはパワーグリップを
GLFITパワーグリップblack
GLFITパワーグリップpink
初心者や女性の方に多いトレーニングの悩みが「先に握力がなくなってしまう」というものです。トレーニングは101%で追い込んでこそ、はじめてその効果があらわれます。
パワーグリップを使用すれば、握力がなくなっても最後までバーやシャフトをグリップできるので、完遂率の高いワークアウトが実現できます。
▼パワーグリップの使い方は?
●押すトレーニングにはリストラップを
押すトレーニングで気をつけたいのが手首の保護です。リストラップと呼ばれるグッズを手首に装着することで、手首の保護・補強になり、結果として高いレベルのワークアウトが実現できます。
▼リストラップの適切な長さと巻き方は?
●肘の保護にはX-エルボースリーブ
肘に違和感や不安のある方におすすめしたいのが、こちらの新発想の肘サポーター「X-エルボースリーブ」です。リストラップと同様の伸縮性に優れたラップが付属しており、平行巻きにしたり、X巻きにしたり、個人それぞれの肘の状態にあわせたサポート力を発揮できます。
▼X-エルボースリーブとは?
●その他の筋トレグッズはこちら

下記の記事では、実際に使用しているトレーニング用品(ベンチ・ダンベル・チューブ・トレーニングベルト・パワーグリップなど)を、自宅用アイテムを中心にジムユースまで、男性用・女性用から幅広く解説しています。
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